認知症になっても安心して暮らせる介護施設は?
※当記事はアフィリエイト広告を利用している場合があります
親や夫、妻が認知症になって自宅で介護してきたけど、そろそろ限界かも。
もしくは親と離れて暮らしており、同居や介護も難しい。
そんな時、まず初めに考えるのが介護施設への入所だと思います。
でも認知症になった人を受け入れてくれる施設ってどんなところがあるの?
今回は認知症になっても安心して暮らせる介護施設についてお伝えします。
高齢者施設の種類
高齢者向けの施設には様々なタイプがあります。
元気な高齢者向けの住宅もあれば、介護度が重くないと入居できない施設も。
認知症に限らず、一般的な高齢者向け住宅の種類や特徴について知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
認知症の方が入居可能な施設と特徴
認知症の方が入居している介護施設には以下のようなところがあります。
施設の概要と特徴についてお伝えしていきます。
特別養護老人ホーム
要介護認定が3以上の方が入所可能ですが、特例で認知症の方は要介護2以下でも可能となる場合があります。
老人ホームといえば、大きな部屋に4~6人ほどの方が過ごしているイメージを持つ方も多いかもしれませんが、こちらは「従来型」と呼ばれるタイプで、少人数でのケアを基本とする「ユニット型」も増えてきています。
認知症の方は大きな集団での生活が苦手な傾向がありますが、ユニット型であれば少人数で過ごせます。
身体介護はもちろん、看護師も配置されているため、ある程度の医療的支援も可能です。
特別養護老人ホーム(特養)は入居費が比較的安くなっていることもあり、満床で入所待ちの状態であることが多いのも特徴です。
しかし予約順に入所できるわけではなく、毎月施設で会議が開かれ、優先順位の高い方から入所しますので、希望する施設があれば早めに見学に行ってみましょう。
介護付き有料老人ホーム
有料老人ホームにはいくつかのタイプがあり、「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」に分かれています。
住宅型や健康型では買い物や食事などの生活支援がメインとなっていますので、認知症の方なら「介護付き」をおすすめします。
介護付き有料老人ホームは食事、洗濯、清掃等の生活支援、排せつや入浴等の身体介護、機能訓練、レクリエーション、サークル活動などのサービスを受けることが出来ます。
「介護付き」と表示することができるのは、介護保険制度上の「特定施設入居者生活介護」の指定を都道府県から受けており、介護サービスの提供基準を満たしている施設に限られます。
施設の職員が介護をする「一般型」と、介護を外部事業所が行う「外部サービス利用型」があります。
グループホーム
グループホームは少人数で共同住宅の形態でサービスを提供する介護施設のことを言います。
それぞれの居室は確保しつつ食事は食堂で、入浴は共同浴場を利用する形になります。
グループホームの特徴
以下にグループホームの特徴についてまとめました。
1. 入居条件がある 2. 認知症ケアの知識や経験のあるスタッフが介護 3. 少人数のユニットで生活 4. 日常生活上の支援を24時間体制で提供
入居条件がある
グループホームに入居するには三つの条件をクリアする必要があります。
認知症の方だけが入居できるグループホームは当然ながら、認知症であることを病院で診断してもらう必要があります。
またグループホームは住み慣れた地域で生活することを目的とした「地域密着型サービス」であるため、入居を希望する市区町村に住民票があることが条件となります。
遠方に住む親を自分の住む地域のグループホームに転居させることは原則できません。
そのほかにも施設独自に様々な要件が決められている場合がありますので、希望するグループホームへ必ず問い合わせましょう。
認知症ケアの知識や経験のあるスタッフが介護
認知症に特化した施設ですので、介護スタッフは認知症についての知識や経験を有しています。
グループホームでは認知症の進行を遅らせることも大切な目的ですので、本人ができることは可能な限り自分でできるように支援していきます。
他の施設では受けられない、認知症の方に対する専門的なケアを受けることができます。
少人数のユニットで生活
グループホームではユニット単位で生活します。
1ユニット5〜9名で構成され、1施設に3ユニットまでとなっています。
認知症の方は環境の変化が苦手です。
大きな施設では毎日職員が変わったり、大人数で生活しますので認知症の方は混乱したり不安が強くなることも。
その点、グループホームでは入居者も少人数で毎日同じ職員が対応しますので、安心して生活することができます。
日常生活上の支援を24時間体制で提供
グループホームでは基本的に日常生活がある程度自立している方の入居となりますが、24時間体制で介護職員がいますので、夜間も安心して過ごすことができます。
また食事の準備や片付け、掃除なども可能な限り入居者が行うことになっていますので、本人の自立を妨げることなく生活することができるのもグループホームの特徴です。
グループホームのデメリット
認知症の方にとってメリットの多いグループホームですが、いくつかデメリットもあります。
満室であることが多く、空きが少ない
グループホームは家庭的な少人数での生活になりますので、1施設あたりの定員が少なく空きがないことが多くあります。
入居するために順番待ちで待機している場合も少なくありません。
もし将来グループホームの入所を考えているのであれば、早めに見学をしておくことをおすすめします。
医療的な処置や看取りができない
最近では看護師が常駐しているグループホームも増えてきましたが、グループホームには医師や看護師の配置義務がありませんので医療的な処置が必要になった場合には退居しなければならなくなることもあります。
またこれまでは看取りを行わない施設が大半でしたが、最近は医療機関と連携して看取りまで行うところも増えています。
入居前にどの程度の身体状況までグループホームで過ごせるのかを確認しておきましょう。
住民票がある地域にしか入居できない
グループホームでは住民票のある地域にしか入居できません。
ですので遠方の親が認知症になったからといって自分の住む地域のグループホームへ転居させることは不可能です。
どうしても自分の住む地域に親を転居させたい場合は、一旦自宅で同居するか他の施設を検討する必要があります。
入居費用が高め
グループホームの入居費用には「初期費用」と「月額費用」があります。
初期費用は0〜数百万円と幅が大きく、施設によって異なります。
月額費用は日常生活費と介護サービス費になります。
介護サービス費は介護保険の対象となり、自己負担は前年度の収入によって1〜3割負担となります。
それぞれ合わせた月額費用はおよそ10万〜30万円程度。
施設によって月額費用は様々ですが、グループホームはひと月に10万以上かかりますので、決して安いとは言えません。
もし入居費用が賄えない場合には、生活保護に対応しているグループホームもあります。
途中で費用が払えなくなる、もしくはすでに生活保護を受けている場合は生活保護法の指定を受けている施設を探すようにしましょう。
施設選びのタイミング
できるだけ早めに
認知症の方の介護は想像以上に大変です。
本人は少し前のことも忘れてしまうので、何度も同じ話を繰り返さなければなりません。
同じことを聞くのも伝えるのも本当に疲れてしまいますよね。
また外へ出て行ってしまう場合には、さらに目を離せなくなります。
認知症の方だけではありませんが、家族が介護に疲れ切ってからようやく施設を探すということがよくあります。
介護者が疲れ切っていると、通常の判断ができなくなっていたり、施設入所を急ぐあまり希望していない施設へ入所してしまうことも。
またその頃には認知症も進行し、本人の希望や意向を確認することも難しくなっています。
自宅で介護している家族は、施設を探すことに罪悪感を感じて抵抗がある方も多いですが、家族が認知症になったらできるだけ早めに探しておくことをおすすめします。
本人が施設入所を拒否することもあると思いますが、家族だけも施設へ見学に行ったり、相談員から話を聞いておくなどしておきましょう。
できれば本人と一緒に
可能であれば本人と一緒に施設探しをしましょう。
本人の意向も聞きながら決めることができるのが一番ですが、入所に難色を示す場合には、まずショートステイで入居前に利用してみるのも良いと思います。
施設に抵抗があっても、実際にショートステイを利用したら意外に気に入ってくれる場合があります。
また定期的にショートステイを利用することで、職員に慣れることができますし、家族も気分転換したり体を休めることができます。
ショートステイを利用するためにはまず介護認定を受けて、担当のケアマネジャーに相談しましょう。
要介護認定の申請方法についてはこちらに詳しく書いています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
グループホームは認知症の方にとって暮らしやすい施設であると言えます。
認知症の方を介護しているご家族にとって、将来の施設選びの参考になれば嬉しいです。
こちらの記事も参考にどうぞ。