さえとも保健師のブログ

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遠距離介護の方法と成功ポイント

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高齢になった親、だんだん一人や夫婦だけで暮らすのも大変になってきた。
そろそろ、仕事を辞めて実家に帰るべきなんだろうか・・・。

そんな悩みをお持ちの方、介護離職を選択するのは少し待ってください。
最近は様々なサービスや通信環境が整い、遠距離介護も不可能ではなくなっています。

今回は遠距離介護の方法についてわかりやすくお伝えします。

遠距離介護の方法

Aさん
Aさん

でも遠距離介護って難しそう・・・。

さえとも
さえとも

遠距離介護をするには、まずは事前の準備が大切になります!

具体的にどんなことをしていけばよいのか、見ていきましょう。

まずは事前準備から始めよう

遠距離介護を始めるには、まずは事前準備が大切です。

どんな準備をすれば良いのか、以下にまとました。

1. インターネット環境を整える
2. 親の生活パターンを把握する
3. 親の経済状況を把握する
4. 親の人間関係を把握する
5. 親の希望や意向を確認する
6. 介護保険制度や介護サービスについての相談先や内容について知っておく
7. 勤務先の介護休暇制度など福利厚生について調べておく

インターネット環境を整える

意外に思われるかもしれませんが、遠距離介護をするにはインターネット環境は必須です。

実家にWifiなどのネット環境を整えているご家庭は少ないと思いますが、コミュニケーションツールを作るために必要となります。

Aさんの母
Aさんの母

インターネット?

使い方もわからないし、毎月費用もかかるみたいだから必要ないわ。

さえとも
さえとも

確かに毎月の費用がかかってしまいますが、今はインターネットで様々なことができるんですよ。

お子さんとのコミュニケーションも取りやすくなります。

インターネット環境があれば簡単な操作で顔を見ながら会話できるツールもありますので、まずは日頃から親とのコミュニケーションを取るようにしましょう。

コミュニケーション以外にも、実際に遠距離介護をすることになれば、こんなこともできます。

  • 見守りカメラの設置
  • 介護サービスを利用するときの担当者との打ち合わせ
  • 照明や玄関の施錠などの遠隔操作
  • 電気機器の使用状況を確認
  • 緊急通報システムの設置

見守りカメラの設置

見守りカメラを玄関やリビングに設置すれば、安否確認ができます。
最近の機種は、ただのカメラ機能だけでなく話しかけたりセンサーでお知らせしてくれる機能などがついているものもあります。

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介護サービスを利用するときの担当者との打ち合わせ

介護サービスを利用することになれば、担当のケアマネジャーや事業所の相談員などと定期的な話し合いが必要になります。

遠方に住んでいると、その度に帰省することは結構負担になることも。

自宅にタブレットやテレビ電話などがあれば、オンラインで話し合いに参加することが可能になります。

照明や玄関の施錠などの遠隔操作

自宅の照明機器や玄関の施錠(スマートロック)はスマホで遠隔操作することができます。

電気の消し忘れや鍵をかけないで外出してしまった時なども安心です。

電気機器の使用状況を確認

ポットの使用状況を確認して安否確認するというのが世間で話題になったことがありますが、今は洗濯機や炊飯器、掃除機、テレビなど普段使用する電化製品の使用状況をそれぞれ確認することができる機器もあります。

緊急通報システムの設置

急な体調不良や怪我などが起こった時に、ボタンひとつで駆けつけてくれる緊急通報システム。

自治体が事業として低料金で提供している場合も。

また同様のサービスを行っている会社もありますので、利用料金など調べてみましょう。

親の生活パターンを把握する

離れて暮らしていると、意外に親の交流関係や生活パターンを知らなかったりします。

まずは普段からコミュニケーションを多く取るようにして、少しずつどんな生活をしているのか聞き取るようにしましょう。

頻繫に帰省できないという場合には、テレビ電話などを使用するのも良いと思います。

親の経済状況を把握する

親の年金額や預貯金額などを直接聞きだすのは抵抗があるという方もいると思いますが、必ず必要になります。
もしも認知症になれば金銭管理ができなくなり、大事な通帳や印鑑、土地の権利書など大事な書類がどこにあるのかわからなくなることも。

介護サービスや入院・治療費、施設の利用料金は基本的には本人の年金や預貯金から支払うことになります。
年金や預貯金だけでなく、借金の有無や加入している保険、大事な書類がどこにあるのかを聞いておきましょう。

急に聞き出すのが難しければ、要介護認定の申請や介護サービスを開始する時をきっかけに聞いてみるのも良いかもしれません。

親の人間関係を把握する

何十年も同じ地域に住んでいるなら、近所との付き合いもあるかもしれません。
他にも定期的に参加している集まりや友人、親戚づきあいなど、親の人間関係を聞いておきます。

これらの近隣に住む方々は親とも信頼関係ができていますし、お互いに助け合って生活していることが多くあります。
遠距離介護をする上で、これらの方々は非常に大切になってきます。

もしも一人暮らしであれば、地域の民生委員が毎月訪問しているかもしれません。
できれば帰省のタイミングで交流のある方や民生委員へ挨拶に行ったり、連絡先を伝えておきましょう。

介護保険制度や介護サービスについての相談先や内容について知っておく

いざ介護サービスが必要になったら、何から始めていいのか戸惑うと思います。

介護保険のしくみについて事前に調べたり、どんなサービスがあるのか情報収集しておきましょう。

インターネットでもある程度情報は得られますが自治体によって違いもありますので、できれば親の住む地域を担当している地域包括支援センターへ相談することをおすすめします。

地域包括支援センターは高齢者の総合相談窓口として、介護保険のことから地域のインフォーマルサービスなど介護に関するあらゆる地域の情報を持っていますので、介護が必要になる前から相談することも可能です。

勤務先の介護休暇制度など福利厚生について調べておく

遠距離介護をすることになったとしても、定期的な帰省や突発的な事が起こった時には仕事を休む必要が出てきます。
まずは今の職場でどのような制度や福利厚生があるのかを確認しましょう。

介護離職は社会問題にもなってきており、企業としても介護離職を回避するために様々な制度を設けているところもあります。

遠距離介護を成功させるポイント

一人で抱え込まない

介護において一番重要なことは、「一人で抱え込まない」ことです。

家族に協力者がいないことも多いと思いますが、「介護できるのは自分しかいない」と決めつけてしまうといつか行き詰ります。

家族でなくても、町内会や近隣住民、ケアマネジャー、事業所の職員、地域包括支援センターなど、あなたのために相談に乗ったり協力してくれる人はたくさんいます。
まずは自分から周りへ協力を求めることが遠距離介護では不可欠です。

職場に遠距離介護をしていることを伝える。

遠距離介護をしていても、介護休暇や有給休暇を取ることも増えてくるでしょう。
まずは職場に遠距離介護をしていることを伝えると、協力も得やすくなります。

また同じように家族を介護している同僚がいれば、様々な情報交換ができるかもしれません。

使えるサービスを積極的に活用する

介護には介護保険など自治体が行っているフォーマルサービスとそれ以外のインフォーマルサービスがあります。

訪問介護やデイサービスなどは介護保険を利用しますが、配食弁当や食料品の配送サービス、家事代行など様々なサービスがあります。

これらのサービスを駆使して、遠距離介護を成功させましょう。

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将来のために施設を検討する

遠距離介護でしばらく在宅生活を続けていても、いつかは難しくなってくる時が来るでしょう。

「その時になってからでいいや」では遅すぎます。
最近は高齢化がすすんで、希望する施設に入所するにも空き待ちの状況です。

今すぐではなくても、いつかは施設入所を検討しているのであれば早いうちに情報収集をして、可能であれば見学をしておくことをおすすめします。

まとめ

遠距離介護は難しそうと思っても、周りの協力や様々なサービスを利用することで現代では不可能ではなくなっています。

介護のために離職することはデメリットも大きく、自身の将来のキャリア形成や老後に大きな影響を与えます。

親を自分の住む地域に転居させるという方法もありますが、高齢になって友人も知り合いもいない土地に住むということは親にとっては大きなストレスとなり、認知症の発症や身体機能の低下につながることも。

まずは住み慣れた地域で、できる限り生活することができる方法を検討してみましょう。