さえとも保健師のブログ

介護や健康について役立つ情報を発信しています

高齢者におすすめの趣味ランキング

あなたにはどんな趣味がありますか? 

ダンスやゴルフなどの運動系やハンドメイド、読書などの文科系など、実に多様な趣味活動があります。 

若い頃に夢中になった趣味でも、高齢になって「身体が動かなくなった」「体力が低下した」などの理由で続けられなくなることも。 

では、高齢になったら、もしくは高齢期を見据えて、どんな趣味が良いのでしょうか。 

今回は高齢になっても続けられるおすすめの趣味活動と趣味を持つ事でどんな効果があるのかについてお伝えします。 

 

高齢期の趣味ランキング 

平成28年に行われた「社会生活基本調査」によると、65歳以上の趣味・娯楽のランキングは以下のようになっています。 

第1位 園芸・庭いじり・ガーデニング 

第2位 趣味としての読書 

第3位 映画館以外での映画鑑賞 

第4位 美術鑑賞 

第5位 映画館での映画鑑賞 

第6位 遊園地・動植物園・水族館などの見物 

第7位 カラオケ 

第8位 CD・スマホなどによる音楽鑑賞 

第9位 演芸・演劇・舞踊鑑賞 

第10位 写真の撮影・プリント 

https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1035.html 

 

園芸・庭いじり・ガーデニング 

平成18年、23年、28年と同様の調査が行われましたが、いずれの年も第1位だったのが、園芸・庭いじり・ガーデニングです。 

男女比では女性の方が多く、都道府県別でみると茨城県岡山県群馬県滋賀県が多いという結果でした。 

ガーデニングというと庭付き戸建てに住んでいなければできないというイメージですが、マンションのベランダや土地の一画を借りている人、ボランティア活動として公園などの草木の手入れを趣味として行っている人もいます。 

ガーデニングの良い所は屋外で日光に当たりながら活動ができること。 

日光に当たると、体の日内リズムが整って夜間よく眠れるほか、骨粗鬆症予防などの効果があります。 

もちろん立ち座りや土いじりなどの作業もありますので、筋力の維持、向上も期待できます。 

もしも複数人で作業ができるような環境であれば、共通の趣味を持つ人とのコミュニケーションが取れて認知症予防にも。 

 

趣味としての読書 

それでは第2位の読書はどうでしょうか。 

男女比はほぼ同じという結果ですが、本を読むことは脳を活性化させるため、認知症予防となります。 

ただ、高齢になると視力低下により小さな文字が見づらくなり、眼鏡や拡大鏡が必要になることも。結果、これが煩わしくなって読書をやめてしまう人も多くいます。 

また読書は一人で座って静かに行いますので、体を動かすことはありません。 

趣味が読書だけという方は、人との交流や運動不足が懸念されますので、できれば他の趣味と合わせて行うのがおすすめです。 

 

映画館以外での映画鑑賞 

これは平成28年で急激に増えて第3位となりましたが、平成18年、23年の第3位はCDやスマホによる音楽鑑賞でした。 

近年、ネットフリックスやアマゾンプライムなど映画のサブスクが普及したことが、急増した要因かもしれません。 

映画鑑賞は「楽しい」「面白い」「興味深い」など様々な感情を呼び起こすとともに、次々と展開していく画像を見ながら音声で内容を理解するという認知機能が働きます。 

ただし、こちらの趣味も一般的には「自宅内で」「ソファなどに座って」鑑賞することが考えられますので、読書と同様に他者交流や運動の機会が少なくなります。 

 

高齢になっても楽しめるおすすめの趣味 

それでは次に、高齢になっても続けられるおすすめの趣味をご紹介します。 

いずれもポイントは「体を動かす」「人との交流がある」「頭を使う」の3つです。 

 

園芸・庭いじり・ガーデニング  

趣味ランキングでも1位の園芸・庭いじり・ガーデニング 

楽しいだけでなく、健康にも良い条件が揃っていますので、ぜひ仲間と一緒に楽しみましょう。 

 

パークゴルフグラウンドゴルフ 

働き世代ではゴルフが趣味という人も多いと思います。 

ゴルフは先ほどあげた「運動・交流・知的活動」の3つを同時に満たしています。 

ですが、ゴルフは腰を強くひねる動作や長距離移動などの筋力や体力が必要となるため、高齢になると続けるのが難しくなるスポーツでもあります。 

その点、パークゴルフは高齢者でも気軽に楽しめるスポーツとして人気があります。 

残念ながら65歳以上の「趣味・娯楽」ランキングからは外れてしまっていますが、子供から高齢者までが一緒に楽しめるスポーツですので、親子や3世代でもぜひトライしてみて欲しいです。 

 

カラオケ 

次はカラオケです。 

これは先ほどの調査で第7位にランクインしています。 

カラオケの良いところは、大きな声を出すことです。 

大きく発声することで、肺活量やのどが鍛えられ、ストレス発散にもなります。 

また複数人で行えば交流もでき、より楽しめるでしょう。 

それ以外にも、カラオケのできる場所まで出かけるという、外出の機会もできます。 

コロナ禍で各地のカラオケ喫茶が利用できなくなり、高齢者のフレイルが心配されています。 

また少しずつ再開されていますので、ぜひ続けてもらいたいと思います。 

 

文化教室、運動教室への参加 

最後は各教室への参加です。 

興味のある教室へ継続的に通うことです。 

ガーデニングや読書、カラオケなど個々の趣味活動は、そもそも興味がなければ続けられません。 

「趣味」であるからには、自分がやっていて楽しめることでなくてはいけません。 

でも1人で自宅に籠って行うような趣味であれば、人との交流や外出の機会が減り、運動不足に陥ってしまいます。 

 

そこで共通の趣味を持つ人々が集まる教室へ参加することをおすすめします。 

お住まいの地域の文化センターや集会所などで開催されている様々な教室を探してみてください。きっと自分の趣味と合うような教室があると思います。 

もしなければ、自分で新たに教室を立ち上げてみてはどうでしょうか。 

あなたの知識や経験、仲間を必要としている人がいるかもしれません。 

まとめ 

今回は、高齢者に人気の「趣味・娯楽」ランキングとおすすめの趣味についてお伝えしました。 

高齢になると「外出が億劫」「人との交流が面倒」になり、自宅にこもりがちに。 

いつまでも健康に楽しく過ごすためには、高齢になっても続けられる趣味活動が非常に重要になってきます。 

仕事や育児、介護に忙しい働き世代では、趣味に時間を取ることは難しいかもしれません。 

でも、自分が好きなことや興味のある事を、時々でも良いので続けてみませんか。 

もちろん趣味ですので、途中で変わってしまっても構いません。 

その時々に無理なくできる趣味を続けることが大切だと思います。 

そして高齢になっても、みんなで楽しめる趣味を持って元気に過ごしましょう。 

2023年セントラルヒーティング徹底節約術

2022年から光熱費の相次ぐ値上げにより、特に冬期間の暖房費をいかに節約するか悩んだ方も多いはず。

我が家は真冬はマイナス10度程度まで下がる地域に住んでおり、2015年からセントラルヒーティングを利用しています。
調理はガス、給湯、暖房は主に電気で一部ガスも使うというシステムです。

過去のセントラルヒーティングの経過はこちらの記事をどうぞ。

saetomo.hatenablog.com

色々と工夫をしたものの、どれも大きな差はありませんでしたが、昨今の電気代の値上げにより、本気で取り組まなければならなくなりました。

今回はそんな2022年から2023年にかけての冬期間の節約術と結果をお伝えします。

 

パネルヒーターの調整

まず行ったことは、パネルヒーターの設定温度の変更です。

各ご家庭で利用のシステムによって設定方法に違いがあると思いますが、我が家のパネルヒーターはそれぞれにダイヤルが付いており、0~6(0が最低で6が最大)までのメモリで調整するようになっています。

我が家のリビングは2階で1階から吹き抜け部分があります(これがめっちゃ寒い原因のひとつ)。

今までは1階の暖房を切ってしまうと熱の対流が起こり、さらに寒くなると考えて1階部分も普通に暖房を入れていました。

でも、今はそんな悠長なことは言っていられません。
1階のパネルヒーターのメモリは‘‘1‘‘に。
3階の寝室部分は2階の熱が上がるため、いつも低めにはしていましたが、これも‘‘2‘‘にしました(はじめは1でしたが、厳寒期はさすがに2に上げました)。

そして最後にリビングです。
毎年メモリは‘‘3‘‘にしていましたが、こちらも‘‘2‘‘にしました。

暖房の設定温度の調整

暖房設定の温度は特に変更せず、一番低い40度で夜間はマイナス20度に設定。

我が家には手動と自動二つの設定機能があるのですが、日中いないことが多いため、いつも自動にしています。

室内の温度で調整してくれるのか、屋外の気温で変わるのかイマイチよくわかりませんが、自動だと全然暖まらなかったり、暑くなりすぎることも。

でも今回はパネルの温度設定も最低にしているので、暑くなりすぎることはありませんでした。

最終兵器投入

当然これだけパネルヒーターの温度設定を下げたので、これでは寒くてやっていられません。

セントラルヒーティングの暖房は最低限、我が家の猫と水道管が凍結するのを防止するためだけに動いてもらうことにしました。

とりあえず日中は仕事や学校で人間は不在になるため、わずかにリビングにいる時間だけ暖かければ良いのです(猫は?)。

でもセントラルヒーティングの悪いところは、全体的にじっくりゆっくり暖まるけど、急には暖まってくれないこと。

そこで、それ以外の暖房機器を検討してみることにしました。

検討その1:こたつ

まず検討したのが「こたつ」。

家族団らんにも良いし、何よりすぐに暖まる。

でも、足元しか暖かくならないし、何より猫の温床になる(当たり前だが)。
夫は猫アレルギーでできるだけカーペットなどのアレルゲンが溜まるものは避けているので、こたつ布団は却下となりました。

他にも、こたつを置くには専用のテーブルも購入しなければならない点。
すでにリビングにはテーブルがあるので、使わなくなった時に保管するスペースも必要になります。

調べたところ、電気は思ったより消費しないとのことなので、我が家のような事情がない方は使ってみるのも良いと思います。

検討その2:オイルヒーター

ではすぐに暖まるオイルヒーターを購入するのはどうだろうか。

今は色々なタイプが出ていて、足元だけ集中的に暖めてくれたり、反射熱で全体を暖めてくれるものも出ていました。

何よりクリーンで空気も乾燥しないのがいいですよね。

検討その3:灯油ストーブ

今回、我が家が導入したのはポータブルの灯油ストーブでした。

灯油も高いですが、電気に比べれば少し安い。
高気密住宅ではポータブルストーブの使用は恐らくNGですが、背に腹は代えられません。

もちろん定期的な換気を行いました。
使用時間は長くないので、空気は汚れるけど仕方ありません。

結果、灯油ストーブはすぐに暖まりますし、短時間リビングで過ごすには快適でした。

以前、地震で停電が続いたときに購入したストーブがあったので、新たに購入せずに済みました。

我が家のストーブはこちら。

 

このストーブは側面があまり熱くならないため、猫がいる我が家も安心して使えました。

 
他に意外な効果として「火が見えるって、暖かい」ということ。
これまで暖房はパネルヒーターだったので、火が見える視覚的な効果も体験することができました。

暖房費の結果は・・・

以上のような設定にして、一冬が終わりました。
結果どうだったかというと・・・

めっちゃ節約になった!!

これまで、どんなに設定をチマチマと変更しても、我が家の電気代は鬼のようにかかっていましたが、セントラルヒーティングを導入して7年、これまでで一番の節約になりました。

なぜ今までやらなかったのか・・・
やはり人間、追い詰められないとダメなんですね。

確かに1階はものすごく寒かったですし、寝ているときも寒いなと感じることもありました。

でも、それほど辛くはありませんでした。

我が家の電気代は照明や給湯などの電気と暖房の電気メーターが別々なので(セントラルヒーティングだとみんなそうかもしれませんが)、純粋に暖房費を知ることができます。

昨年の電気量と比べて、各段に下がりましたし、電気代が上がったにも関わらず昨年とほぼ同じか安いくらいの料金で済みました。

ちなみに灯油の使用量は1か月で20L前後でした。
灯油代を足しても暖房費を低く抑えることができたと思います。

来年以降どうするか

今年はなんとか、電気代を抑えることができましたが、次のシーズンはどうしようかと考え中です。

電気代の推移にもよりますが、ロシアの戦争が終わるか原発が再稼働しない限りは電気代が安くなることはなさそうです。

ポータブルの灯油ストーブは換気も必要ですし、小さなお子さんがいる場合などはやけどにも注意しなければいけません。

灯油を入れる手間も発生します。

こういったデメリットも考えながら、さらに良い方法がないか探っていこうと思います。

 

 

 

 

遠距離介護のはじめかた

介護は突然始まることも多く、遠方に住んでいれば仕事を辞めて親の介護をするか悩むことになるかもしれません。

実際に遠距離介護は可能なのでしょうか。

今回は遠距離介護のはじめ方について、役立つ情報をお伝えします。

遠距離介護は可能か

遠く離れた親の介護をすることは可能でしょうか。

答えはイエスです。

近くにいれば、様子をこまめに見に行ったり買い物や通院などの支援をすることができます。
でもそのために、今の仕事やキャリアを捨てて実家に戻るのはどうでしょうか。

介護離職した後に、親の介護をしながら再就職しますか?老後の資金は?
親の介護は思っている以上に時間を取られます。
フルタイムの仕事をしながらの介護は大変です。

ならば、仕事を辞めずに遠距離で介護するのはどうでしょう。

実際にどのようなサービスを利用していけば、遠距離介護ができるのかご紹介します。

遠距離介護をするための準備

スキルがなくてもできるおすすめ副業

まずは介護申請を

遠距離介護をするにあたって、まず行うことは「要介護認定申請」です。

もしも入院中であれば、病院でも申請を行うことができます。
入院している医療機関に医療連携室(入退院相談窓口)などがあれば相談してみましょう。

メディカルソーシャルワーカー(相談員)がいない病院であれば、病棟の看護師に聞いてみてください。

自宅にいる場合でも、親御さんが住んでいる自治体のホームページなどから申請書類をダウンロードして郵送でも対応できますので、遠くに住んでいても申請は可能です。

詳しくはこちらの記事にも書いていますので、参考にどうぞ。

saetomo.hatenablog.com

インターネット環境を整える

遠距離介護で必須ともいえるのは、インターネット環境です。

親世代は携帯電話は持っていても、自宅にWi-Fiなどのネット環境がない家は多いでしょう。

月額費用はかかりますが、親との連絡や見守り、介護サービス利用時のオンライン会議など、様々な場面でインターネット環境は役立ちます。

介護保険での介護サービスを検討

遠距離介護にあたって、必要な介護サービスは何でしょうか。

介護保険での介護サービスには、買い物や掃除、身体介助などのヘルパー支援やデイサービスでの運動や入浴、訪問看護など様々なサービスがあります。

介護度にもよりますが要介護認定の結果が出たら、まずは担当のケアマネジャーを決めましょう。

要支援1、2であれば地域包括支援センター、要介護1~5であれば居宅介護支援事業所へ連絡します。

担当のケアマネジャーと相談しながら、介護保険の制度や利用できるサービスについて説明を受けます。

介護保険で利用できるサービスについて詳しくはこちらを参考にどうぞ。

saetomo.hatenablog.com

実際に介護保険のサービスを利用することになれば、担当のケアマネジャーが事業所探しや各種手続きなど全て代行してくれます。

本人や家族が始めにすることは、各事業所と契約を結ぶこと、自己負担分の利用料金の口座振替のための手続きをすることくらいです。

インフォーマルサービスも活用する

介護保険でのサービスで足りない部分はインフォーマルサービスや自費サービスを利用する必要があります。

例えば、見守りカメラの設置や家事代行サービスなどです。

見守りカメラを設置すれば、遠くに住んでいてもいつでも親の安否確認をすることができます。
リビングや玄関などに設置しておけば安心です。

saetomo.hatenablog.com

介護保険での訪問介護サービスでは、様々な制約があります。

親や親族の意向を確認しておく

介護するにあたって一番重要なのは、介護される本人の意向です。

こちらで勝手に準備をすすめていても、本人の意向に沿わなければ親子関係のトラブルにもなりかねません。

また遠距離介護といっても一人で全てを担うのは大変です。

家族だけでなく、親のきょうだいにも連絡して介護が必要になることを伝えましょう。
そして何らかの協力が得られるかを確認します。
子や孫、親のきょうだいには扶養義務というものがあります。

 親の介護は子どもの義務? 介護を放棄することはできる?

実際に介護をしないとしても、介護費用を本人が賄えないようであれば、経済的な支援が可能かなどについても話し合っておくと良いでしょう。

遠距離介護の方法

それでは実際に遠距離介護が始まったら、何をすればよいのかについてお伝えします。

地域へ協力を依頼する

実際に遠距離介護が始まったら、介護サービスだけでなく町内会や民生委員、お隣近所などにも協力を得ましょう。

何かあった時のために、お互いの連絡先を交換しておくと良いでしょう。

一軒家に住んでいれば、意外に行動を見てくれています。

事前に伝えておけば、「夜になっても電気が付いていない」とか「最近姿を見ない」など変化があれば知らせてくれるはずです。

ケアマネやサービス事業所と連絡を取り合う

何かあればケアマネやサービス事業所から連絡が来ると思いますが、定期的に連絡を取り合うことで最近の様子を知るようにしましょう。

普段からコミュニケーションを取っておくことで、トラブル防止にもなります。

定期的に帰省する

遠距離介護をすると言っても、全く様子を見に行かないというわけにはいきません。

定期的に帰省して、親や家の様子を見にいきましょう。

電話ではわからないことも多いので、帰省の際に不安なことなどを確認しておきます。

時間があれば、近隣の人へ挨拶へ行ったり、ケアマネと面談の機会を持つなどできると良いと思います。

あなたが会社員であれば、介護休暇を取ることができますので、上司や人事へ確認してみましょう。

交通費の割引制度を活用する

遠方に住んでいれば、帰省のための交通費が大きな負担に。
介護のために帰省するのであれば、飛行機の介護割引もあります。

以下に紹介する介護割引以外にも、LCCの利用やJRでも早割などがありますので、一番お得な方法で交通費を節約していきましょう。

日本航空「介護帰省割引」
[利用条件]
満12歳以上で要介護または要支援認定された方の「二親等以内の親族の方」と「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」ならびに「子の配偶者の父母」のみ利用可能。

全日空「介護割引」
[利用条件]
・介護を必要とされる方の「 二親等以内親族の方(満12歳以上)」と「 配偶者の兄弟姉妹の配偶者」ならびに「 子の配偶者の父母」に限り対象。
・「介護割引情報登録」の申請が必要で、 「介護を必要とされる方」と「介護する方」の関係を証明する公的書類(「戸籍謄本」または「戸籍抄本」)が必要。

スターフライヤー「介護割引」
[利用条件]
・要介護・要支援被認定者および介護者(2親等以内の親族、配偶者の兄弟姉妹の配偶者ならびに子の配偶者の父母に限る)。
・「介護割引パス」の発行を受ける必要あり。

■ ソラシドエア「介護特別割引」
[利用条件]
・介護者(介護する方)は要介護・要支援被認定者の「二親等以内の親族」と「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」ならびに「子の配偶者の父母」のうち2名様までが対象。
・「介護割引パス」の発行を受けること。

相談者をみつける

遠距離介護であっても、在宅介護でも一人で介護することは大変負担が大きいものです。

介護サービスだけでは足りないことも多いでしょう。

ぜひ介護の相談先を見つけて、ひとりきりで介護を抱えないようにすることが一番重要です。

 遠距離介護支援協会

まとめ

今回は遠距離介護のはじめ方についてお伝えしました。

介護はどのくらい続くか予想できませんが、仕事や今の生活を守りながら介護離職することなく介護ができればと思います。

介護食の作り方〜飲み込みに合わせた調理方法

高齢になった家族が「最近食事の時にむせるようになった」「なかなか飲み込めない」といったことが出てきていませんか。

加齢による口腔機能や嚥下(えんげ)機能の低下によって、食べ物を噛んだり飲み込んだりすることが難しくなっているのかも。

今回は高齢者の噛む力や飲み込みに合わせた調理方法をお伝えします。

高齢者に多い誤嚥性肺炎とは

高齢者の死因に多い「誤嚥性肺炎」。 
肺炎で死亡する人の約7割が75歳以上で、70歳以上の肺炎の約7割が誤嚥性肺炎となっています。

食べ物が気管へ入ると通常であれば咳き込んで異物を排除します。 
しかし加齢によって飲み込む力や異物を出す力が低下するために食べ物がそのまま気管に残ってしまうことがあります。

気管に入った異物によって炎症が起こり、肺にまで達すると誤嚥性肺炎に。

なぜ飲み込めなくなるのか

加齢に伴ってさまざまな機能低下が起こりますが、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)という食べ物を噛んだり飲み込む機能が低下することを「オーラルフレイル」といいます。

例えば、義歯が合わないために付けないでいるとしっかりと噛むことができず、柔らかい食べ物が増えていきます。

その結果、噛む機能が低下する負のスパイラルに。

しっかり噛むことは、脳にも刺激になり認知症予防にもなります。
噛めないことを放置せず、歯科受診しましょう。

また歯の問題だけではなく、人と話す機会が少なくなることで滑舌が悪くなることもオーラルフレイルの原因となります。

 オーラルフレイル対策のための口腔体操|オーラルフレイル|日本歯科医師会

高齢者の嚥下機能の変化 

嚥下機能が低下してきたサインとして以下の4つが見られるようになります。

  1. 食べこぼしや軽いむせ 
  2. 固いものが噛みづらい 
  3. 滑舌が悪くなる 
  4. 口の中が乾く

水やお茶がむせるようになったり、固形の食べ物がいつまでも口の中に残って飲み込めなくなったら、食事の形態を変える必要があるかもしれません。

食事の形態を変える方法

それでは実際に食事の形態を変える方法についてみていきましょう。

市販の介護食品に用いられる「ユニバーサルデザインフード」の区分表を参考にするとイメージがつきやすくなります。

表にあるように、噛む力と飲み込む力によって食事の形態を変えることで、誤嚥を防ぐことができます。

とろみをつける(とろみ食)

水分などにむせがみられるようになったら、1番初めに試してみることは食べ物(味噌汁、お茶など)にとろみをつけることです。

今はドラッグストアなどでもとろみ剤を手に入れることができます。 
とろみ剤は粉状になっており、水分の多い食べ物に混ぜるだけで簡単にとろみをつけることができます。

しかも味は変わりませんので、慣れると非常に手軽です。

とろみ剤 ヘルシーフード トロミパワースマイル 700g [介護食/介護用品]

食材をきざむ(きざみ食)

通常の食材の大きさでは噛んで飲み込むことができない時は、細かくきざんで食べやすくします。

刻む大きさは1cm〜2cm程度から5mmまで咀嚼力に合わせて変えていきます。

どんな人に向いてるのか

噛む力は弱くなっているが、飲み込む力や唾液の量は問題ない方に向いています。

きざみ食での注意点

きざみ食では食材を細かくカットするために、食中毒など衛生面に注意する必要があります。

また刻むことで食材がバラバラになりやすく、口の中でまとまりづらいので飲み込む力が衰えている場合には誤嚥の危険性が高くなります。

きざみ食でむせるようであれば、やわらか食など形態を変更しましょう。

食材をやわらかくする(やわらか食)

嚥下機能が低下している場合には食材を煮るなどやわらかくすることで、飲み込みやすくします。

食材によっては形が崩れやすくなりますが、普通食と同じような見た目で盛り付けると見た目も良くなります。

目安としては歯ぐきや舌でつぶせる程度にしますが、食べる人の咀嚼や嚥下機能によって調整しましょう。

食材をペーストにする(ミキサー食) 

やわらか食でも食べづらくなってきたら、食材をミキサーにかけるか、やわらかく煮てから潰してペースト状にします。 

噛む必要がないため、そのまま飲み込む事ができます。 

ただしペースト状にすると食べ物の形がなくなってしまうため、何を食べているのかわからず、食欲低下につながることも。 

また全ての食材を混ぜてしまうと、味が混ざって美味しくない場合もあります。 

できれば食材ごとに盛り付けるか、ペーストにする前の盛り付けた状態を見てもらってから食べてもらうと、頭でイメージしながら食べることができます。 

こちらの「ホット&ソフトプラス」は調理済みの食材に混ぜて加熱すると、室温で固まる固形化補助食品です。
温かいお粥を使えば加熱する必要がありません。温かいまま固まるので調理時間も短縮でき、見た目の良いゼリー食が手軽に提供できます。

介護食を作るための工夫

配食サービスを利用してみる 

介護食を作るとなっても、どんなメニューをどう調理して良いのかわからないという場合には、高齢者向けのお弁当の配達サービスを利用してみることをおすすめします。 

高齢者向けの配食サービスは「きざみ食」や「やわらか食」など介護食に対応しており、様々なおかずのバリエーションがあります。 

介護食を作る参考にもなりますし、どのくらいのやわらかさが食べやすいのか試してみることもできます。 

また介護食は手間がかかりますので、毎食用意するのも疲れてしまいます。 

時々はお弁当を頼んで息抜きしましょう。 

saetomo.hatenablog.com

介護食のレシピを見てみる

最近はクックパッドなど介護食も手軽にレシピを見ることができますので、参考にして作ってみるのもおすすめです。

簡単に調理する方法なども掲載されていますので、日々の介護食に役立つと思います。

 【みんなが作ってる】 介護食のレシピ 【クックパッド】

介護食での栄養バランスは

高齢になって食べ物を噛んだり、飲み込んだりする力が弱ってくると、食事をおいしく食べることができなくなります。

また「食事」という行動による脳への刺激も減少し、認知機能が低下する可能性も。

食欲がなくなると体重減少や体力低下につながり、身体機能の衰えもすすんでしまいます。

介護食だからといって、おかゆや麺類など食べやすい炭水化物ばかり取っているとたんぱく質やミネラルが不足しがちになります。

お肉や魚、野菜などバランスよく食べられるように調理方法を工夫していきましょう。

まとめ

今回は噛む力や飲み込みの状態に合わせた介護食の作り方についてお伝えしました。

誤嚥性肺炎の予防だけでなく、食事をしっかり食べることで体力・免疫力維持にもつながります。

バランスの良い食事はなかなか難しいですが、本人の好みに合わせた食材や調理法で少しでも美味しく食べてもらえると良いですね。

なぜ高齢者に結核が多いのか~原因と症状・治療

結核といえば咳をして血を吐くという昔の病気というイメージがありますが、結核は現代の病気でもあります。 

国の取り組みによって死亡率は減少していますが、患者数は依然として多いのが現状です。 

今回は高齢者に多い結核の症状や治療、予防方法などについてお伝えします。 

結核とは 

結核結核菌による感染症で、咳や発熱などが主な症状です。 
若年者に比べて高齢者に発症しやすいと言われています。 

結核にかかる人は年々減少傾向ですが、平成11年には結核緊急事態宣言も出るなど過去の病気ではないことがわかります。

厚生労働省|平成19年結核発生動向調査年報集計結果(概況)より

感染と発病の違い 

結核には「感染」と「発病」で違いがあります。 

感染とは、結核菌を吸い込み、肺の奥に定着することをいいます。 
感染の段階では、結核菌を人にうつすことはありません。 

一方、発病とは結核菌が体内で増殖し、病巣ができることをいいます。 

発病してなおかつ結核菌を外に出している(排菌している)場合は他の人に感染させるので注意が必要です。 

なぜ高齢者に結核が多いのか 

高齢者は若い頃に結核がまん延していたため感染している人が多く、75歳以上では5割を超える人がすでに感染していると言われています。 

通常は免疫の働きで結核菌の増殖が抑えられているために、感染しても8~9割の人は発病せずに一生を終えます。 

ところが加齢に伴ってからだの抵抗力が衰えたり、病気の治療のために免疫力を抑えたりすると体の中で眠っていた結核菌が再び目覚めて活動を再開することがあります。 

また糖尿病や人工透析、大きな手術などは結核を発病しやすい要因と言われています。 

若者に感染する理由 

高齢者では結核になっても、はっきりとした症状が出ないために受診が遅れることがあります。 

若者が体調不良で病院を受診した結果、実は同居している高齢者が結核を発病していて、家族に感染していたということも。 

今の若者は結核に感染したことがないために、不規則な生活などによって免疫力が低下していると感染して発病することがあるため注意が必要です。 

また学校や職場などの集団に属していることが多いため、一人が感染して排菌すると一気に結核が広がる集団感染にもつながります。 

結核の症状 

結核は感染した場所によって呼び方が変わります。 

肺に感染した場合は「肺結核」、背骨に感染すると「脊椎(せきつい)カリエス」、結核菌が血流にのって腎臓に発症すれば「腎結核」、腸であれば「腸結核」、全身にまわると「粟粒(ぞくりゅう)結核」と呼ばれます。 

結核 

結核の場合には咳や痰、発熱(微熱)など風邪のような症状がみられます。 

風邪薬を飲んでも改善せず、2週間以上咳や痰が続くようなら早めに医療機関を受診しましょう。 

結核が進行してくると、体重減少、寝汗をかく、息切れや血痰・喀血などがみられることもあります。 

脊椎カリエス 

脊椎カリエスでは脊椎に病変が生じるため、腰や背中の痛みが出ます。 

他には一般的な結核の症状である、微熱や疲れやすさ、体重減少がみられることも。 

進行すると脊椎がもろくなり、骨が破壊されて背骨が曲がったり、しびれや麻痺、排泄障害が起こる場合もあります。 

結核 

結核では初期に血尿がみられることもありますが、多くは特に自覚症状はありません。 

やがて膀胱(ぼうこう)に移ると排尿痛や頻尿などの膀胱炎の症状が出ます。 

さらに進行すると背部痛や倦怠感、易疲労感、微熱、体重減少、食欲不振、寝汗などがみられることもあります。 

結核 

結核などと同様に結核菌が腸に侵入して炎症を起こし、潰瘍を形成します。 

腹痛や下痢、発熱、体重減少などがみられますが、症状があまりはっきりしない場合もあります。 

粟粒(ぞくりゅう)結核 

粟粒結核には急性型と慢性型があり、急性型では突然の発熱や頭痛がみられ、呼吸困難や昏睡(こんすい)になることがあります。

一方、慢性型ではほとんど無症状でレントゲン検査を受けて発見されることが多いですが、数ヶ月後に急性型に似た症状が出ることも。

結核の感染経路 

結核は主に空気感染(発病した人の咳やくしゃみによって菌が空気中にただよい、それを吸い込むことで感染)です。

結核に感染した人の食器や衣服などから移ることはありませんので、使ったものを特別に消毒する必要はありません。 

また感染したからといってすぐに発病するとは限らず、潜伏期間は2年以内、多くは6ヶ月以内ですが、時には感染から数10年経ってから発病することもあります。 

結核の治療 

次に結核の治療についてみていきましょう。 

結核の治療には「抗結核薬」が使われます。 

薬は数ヶ月にわたって服用する必要がありますが、初期治療に成功すれば半年から1年で治療を終了できます。 

ところが、きちんと最後まで薬を飲まなかったりすると、菌が薬に対して耐性を持つようになり、治療が困難になります。 

必ず最後まで治療を続けることが重要です。 

また結核の治療には治療費の一部が公費により負担されますが、公費負担を受けるための手続きが必要です。 

結核早期発見のための3つのチェックポイント 

それでは結核を早期発見するためにチェックポイントについてお伝えします。 

特に高齢者でははっきりとした症状が出ないことがありますので、日々の変化に気づくことが大切になります。 

全体のようす 

  • なんとなく元気がない 
  • 活気がない 

全体の印象としていつもより元気がなかったり、活気がないなどの様子がみられることがあります。

全身症状 

  • 37.5℃以上の発熱 
  • 体重の減少 
  • 食欲がない 
  • 全身の倦怠感がある 

微熱や食欲がないなどの症状が2週間以上続いている場合は要注意です。

呼吸器系の症状 

  • 咳 
  • 痰(たん)、血痰(血の混ざった痰) 
  • 胸痛 
  • 呼吸困難、呼吸数の増加 

結核では呼吸器に症状が出ます。 
風邪薬を飲んでも治らない、2週間以上続く咳や痰には注意が必要です。 

結核の診断方法 

結核の診断には肺のレントゲン検査やCTを撮影します。 

また排菌しているかどうかを調べるために喀痰検査を行います。 

以前は喀痰の中に含まれる結核菌の量を「ガフキー号数」という数字で表していましたが、現在は1+~3+の簡便な記載法に変更になりました。 

どちらも結核菌の量が多いほど、他者へ感染させるリスクが高いと言えます。

結核の予防方法 

最後に結核の予防方法をお伝えします。 

BCGワクチン接種 

BCGは結核を予防するために接種するワクチンです。 

厚労省によると、乳幼児期にBCGを接種することで、結核の発症を52~74%程度、重篤髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度予防することができると報告されています。 

また一度BCGワクチンを接種すれば10~15年程度効果が続くと考えられています。 

参考資料 

結核とBCGワクチンに関するQ&A|厚生労働省 (mhlw.go.jp) 

免疫力を低下させない 

結核は免疫力が低下すると感染、発病しやすくなります。 

免疫力を低下させないために、日頃から規則正しい生活と十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がけましょう。 

結核の早期発見が大切 

結核が発病し、排菌すると他の人に移してしまう可能性があります。 

できるだけ早期発見して確実に治療することが重要です。 

そのためには以下の3つに注意しましょう。

  • 年に1度の定期健診を受ける
  • 結核の症状が出たら早めに医療機関を受診する
  • 身近に結核にかかった人がいたらすぐに検査を受けに行く

まとめ 

今回は高齢者に多い結核について、原因や症状、治療法などをお伝えしました。 

結核は過去の病気ではありません。 

特に高齢者では知らないうちに感染、発病していることがありますので、普段の様子の変化に注意しながら早期発見、治療につなげて感染が広がらないように気をつけていきましょう。