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一人暮らし高齢者の食事~配食弁当や調理支援の方法

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一人暮らしの高齢者は年々増加していますが、加齢とともに買い物や調理が大変に。

離れて暮らしていれば、毎食食事を届けることはできないし、コンビニ弁当や総菜では栄養状態も気になりますよね。

今回は高齢者の食事が心配になった時に、バランスの良い温かい食事を取ってもらう方法についてお伝えします。

一人暮らし高齢者の食事の現状

独居高齢者の食事内容はどうなっているのでしょうか。

一人暮らし世帯の食事内容は

平成17年度内閣府の高齢者の生活実態等に関する意識調査では、一人暮らし世帯での食事は「自宅で調理」が93.2%と最も多く、「店で売っている調理済み食品」が24%、「外食」16.9%、「店で売っている弁当」が8.3%と続き、「配食サービスによる食事」は5.3%でした。

平成17年度 世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査結果より作成

性別にみると「自宅で調理した食事」は女性の割合が高く、「店で売っている調理済食品」や「店で売っている弁当」「外食」は男性が高くなっているのは、男性が日常的に家事をしてこなかったために、調理が苦手であることが想像できます。

健康状態別にみると「自宅で調理した食事」「外食」では健康状態が『良い』と答えた人が多く、「店で売っている調理済食品」「配食サービスによる食事」は『良くない』が高いという結果に。
これは自宅での調理や外食ができる人はそもそも心身の健康状態が良いことも関係していると思われますが、調理ができない状態にある人の栄養状態の悪化が健康に影響を与えている可能性もあります。

一人暮らし世帯の食事の困りごとは

また一人暮らし高齢者の食事に関する困りごととしては、「食事を作るのが面倒」「栄養バランスがとれない」「一人で食べてもつまらない」「買い物が大変」などが挙げられています。

平成17年度 世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査結果より作成

このように高齢になるにつれ、食事に関して何らかの困りごとを抱える人が増えていることがわかります。

参考資料

 平成17年度 世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査結果

高齢者の食事にはどんな問題があるか

高齢になると買い物が大変になったり、調理が面倒になるほか、食欲の低下や固いものが噛めなくなるなどの問題も起きてきます。

自宅で調理していると言っても、米やパンなど主食中心の簡単な食事になり、魚や肉などのたんぱく質や野菜などミネラルが不足しがちです。

栄養バランスが崩れると、体力や筋力の低下につながり高齢者の「フレイル(虚弱)」が進みます。

また外食やスーパーの総菜、コンビニ弁当は塩分や脂質が多くなりがちで、高血圧症や腎臓病、糖尿病などの持病が悪化する原因にも。

高齢になることで自身で栄養バランスの取れた調理ができないとなれば、健康維持のためにも何らかの支援が必要になります。

栄養バランスの良い食事を取るには

宅配弁当の利用

高齢者向けの配食サービスはほとんどの場合、管理栄養士が献立を作成しており、栄養バランスの取れた食事になっています。

一人暮らしでは何品も調理することは大変ですが、宅配弁当を利用すれば不足しがちな栄養素もしっかりと取ることができます。

また糖尿病や腎臓病などの療養食にも対応していたり、きざみ食・やわらか食などもありますので普段から食事に制限があっても大丈夫。

配達は毎日常温で届けてくれる所もあれば、まとめて冷凍保存して必要な分だけ温めて食べるタイプがあります。生活に合わせて好きな方を選ぶと良いでしょう。

とは言っても、やはり毎日では飽きてしまうことも。
その場合には、週に1回からでも配達してくれるところで数回だけお弁当にすることもできます。

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訪問介護サービスの利用

要介護認定を受ければ、介護保険でのサービスを利用することができます。

中でも訪問介護は買い物や掃除、調理などの家事支援を行ってくれます。

認定結果によって利用回数は異なりますが、お弁当やお惣菜は口に合わない、自宅で調理した食事が食べたいという場合にはヘルパーによる調理支援を受けると良いでしょう。

多めに作り置きをしてもらって、数回に分けて食べている方もいます。

家事代行サービスを利用する

介護保険でのサービスでは足りなかったり、そもそも該当しないという場合には家事代行サービスの利用をおすすめします。

自費での家事代行であれば、直接サービス業者との契約になりますので介護保険のような制限もなく自由に利用することができます。

もちろん家事代行ですので時間内なら調理以外のことでもOK。

普段できない大掃除や電球の取り換えなどちょっとした困りごともお願いできるでしょう。

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作り置きおかずを冷凍で送る

あまりお金をかけずに済ませたいという場合には、自宅で作った食事を冷凍または冷蔵で親の元へ送るという方法もあります。

ただし衛生面の問題もありますので、届いたら早めに食べるよう伝えましょう。

総菜や宅配弁当が口に合わなかったり、自宅に人が来て調理することを嫌がる場合には、手間はかかりますがこの方法もおすすめです。

毎日一人で食事をしている高齢者にとっては、家族が心を込めて作ってくれた食事が食べられるという嬉しさもあります。

まとめ

一人暮らしの高齢者は身体的な衰えや意欲低下などによって、食事が偏りがちになります。

自分で調理していると言っても、その内容をよく聞いてみると栄養バランスが崩れている場合が多く見受けられます。

必要な栄養をしっかりと取ることで、病気の予防だけでなく心身の健康を維持することができます。

離れて暮らしているからこそ、普段どのような食事を取っているのか一度確認してみてはいかがでしょうか。

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