さえとも保健師のブログ

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親の運転免許を返納させる方法

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高齢になった親の運転、「そろそろ辞めてもらいたいけど、本人はまだ運転する気でいるし・・・」
どのように説得したら良いか悩んでいませんか。

親の運転をやめさせるためには、まず「なぜ運転を続けるのか」ということを理解する必要があります。
できれば話し合って、本人も納得した上で免許を返納してもらいたいですよね。

今回は高齢になった親の運転をやめさせる(やめてもらう)方法についてお伝えします。

高齢者運転の危険性

高齢者は若い時とは違って、知らないうちに様々な機能が低下しています。

車を運転される方ならよくお分かりになると思いますが、運転は車のスピードに合わせて瞬時に状況を判断し、ハンドルやペダルを操作するという高度な技術が必要となります。

交通事故はどの年代でも起きますが、最も少ないのは40代から50代と言われています。

また60代から高齢になるに従い、事故件数は増えていきます。

なぜ運転をやめないのか

運転をやめない理由として多いものを以下にまとめました。

1.車が必要だから(60.4%)
2.運転が可能だから(26.6%)
3.返納する理由が見当たらないから(3.3%)
4.その他(9.7%) 

「カーリースの定額カルモくん調べ」より

やはり最も多い理由は「車が必要だから」となっています。
都心から離れた地方に住んでいる場合には公共交通機関も限られており、高齢になって長距離を歩いたり重いものを持って移動する買い物などは困難となっている場合が多いでしょう。

長い間、車に依存した生活をしていたため、なかなか返納する気にならないのは容易に想像できます。

次に多い「運転が可能だから」という理由については、高齢になることによって危険への認知機能が低下していることが挙げられます。

特に認知症は進行すると病識がないことも多く、運転をやめさせることはかなり困難となります。
できればそうなる前に本人と話し合い、免許返納できることが望ましいと言えます。

高齢になった親の運転をやめさせる方法

それでは高齢になった親の運転をやめさせる方法をいくつかご紹介します。

まずは家族で話し合いを

まずは家族で話し合ってみましょう。
親子だとついつい感情的になって喧嘩になりがちですが、ここは冷静に「運転することを心配している」ことを真剣に伝えましょう。

「もし事故を起こしたら、相手に迷惑になる」や「取り返しのつかないことになる」などは、一般論ですのであまり説得力はありません。

何より「あなた(親)を一番心配している」ことを強調してみましょう。

運転免許返納後の生活を一緒に考える

そして一番大切なのは、免許を返納した後の生活をどうしていくかについて一緒に考えることです。
これまで車に頼って生活してきたので、親自身も車のない日常が想像しづらいと思います。

例えば「週末は買い物へ連れて行ってあげる」とか「配送サービスを利用してみては」など解決策を提案してみましょう。

それでは具体的な対策についてご紹介します。

買い物

配送サービスを利用すれば、必要な食材や生活必需品を毎週届けてもらうことができます。

他にも高齢者向けの宅配弁当を利用するという方も多くいます。
毎日ではなくても週に何回か利用することで買い物の回数も減らすことができます。

もし離れて暮らしていて、定期的に買い物へ連れて行くことが難しい場合にはネットスーパーを利用して頼まれた食品を代わりに購入して届けてもらうこともできます。

通院

運転免許を返納して一番困るのが「買い物」と「通院」です。

買い物については前述した方法を検討してもらいましょう。
通院については家族が支援することが難しければ、タクシーの利用を提案してください。

通院は通常なら月に1回、もしくは数ヶ月に1回という場合もあると思います。
高齢者は複数の病院へ通院していることも少なくありませんが、車の維持費を考えてもタクシーを利用したほうが安い場合が多いです。

具体的に提案するのであれば、車の維持費とタクシーで通院した場合の費用についてわかりやすく書いて見せる方法もあります。

趣味活動

運転しなくなると外出することが億劫になりがちです。

運転免許を返納することで高齢者の閉じこもりの要因になることも事実ですが、永遠に運転することはできませんので、元気なうちに運転をやめて公共交通機関を利用した外出や近隣で楽しみを見つけてもらうことを提案しましょう。

もし足腰が痛かったり、体力が落ちているようであれば、要介護認定を申請してリハビリ特化型のデイサービスに通うのも良いと思います。
運動だけでなく、人との交流の機会にもなりますので、認知症予防にも効果があります。

意外に車のない生活に慣れてしまえば、それなりに工夫して楽しく生活しているものです。

主治医に説得してもらう

家族での話し合いで解決するのが一番良いと思いますが、なかなか子供の話を聞き入れない親も多いですよね。

特に男性はプライドもありますので、免許返納に応じないこともよくあります。

その場合にはかかりつけの医師にあらかじめ家族が相談して、本人が受診したときに話してもらうようにお願いしてみましょう。
長年通っている病院であれば主治医との信頼関係もできており、患者の性格をわかっていて上手に説得してくれる可能性もあります。

特に心疾患や脳梗塞などの既往があり、運転中に突然意識を失う可能性がある方や認知症の診断がついている場合にはできるだけ早期に運転をやめてもらう必要があります。

運転させない最終手段

どんな手を使っても親が運転をやめず、運転することで頻繁に事故を起こしている、もしくは起こす可能性が非常に高い場合には最終手段として車のキーを奪うという方法もありますが、これはあまりおすすめできません。

実際にキーを隠してしまうというケースもありますが、何より家族関係が悪くなりますし、本人が納得していないので何としてでも運転しようとする可能性があります。

認知症で理解が得られない時には安全のためにやむを得ない場合もありますが、そうでないなら少しずつ時間をかけて説得するのが得策と言えるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
親が自分から運転免許を返納してくれない場合には、いつ運転をやめてもらうのか、どう説得するのか悩みますよね。

親子だからこそ上手くいかない所もあると思いますが、周りの協力も得ながら本人の了承を得られるようにしましょう。

この記事がみなさんのお悩みの参考になればと思います。