さえとも保健師のブログ

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親の介護が必要になったら〜すぐに行うべき3つのこと

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突然、親の介護が必要になったら…。

仕事を辞めなきゃいけない?誰に相談したらいい?

今回は初めての介護に戸惑ったら、まず行うべきことについてわかりやすくお伝えします。

介護保険とは

日本では40歳になると介護保険料を負担しなければなりません。介護保険とは、介護が必要な方の負担を社会全体で支えることを目的とした制度。

40歳以上の国民が介護保険の被保険者となり、介護保険料の支払い義務が発生します。老化や疾病により介護の必要性が認定されると、介護サービスを受けるための費用に保険が適用されます。

介護保険を利用したサービスには日常生活を支援するものから身体介護まで、さまざまなものがありますが、これらを利用するためにはまず、介護認定を受ける必要があります。

介護サービスを受けるためにすべきこと 

介護サービスを受けるためには以下の手順が必要になります。

  1. 介護認定申請をして認定を受ける
  2. 担当ケアマネジャーを探す
  3. 各事業所との契約

介護認定申請をして認定を受ける。

介護サービスを受けるには介護認定というものが必要になります。介護保険料を払っているからと言って、誰でも介護保険サービスが受けられるわけではありません。

介護認定の受け方はこちらを参考にしてください。

自治体の介護保険課で介護認定の申請を行うと、調査員が自宅や病院で認定調査を行います。調査が終わったら、主治医の意見書と合わせて審査が行われます。

認定結果が出ると、新しい介護被保険者証が送られてきます。この認定申請は本人や家族だけでなく、介護予防支援事業所や居宅介護支援事業所でも代行申請することが可能です。

また入院中であれば病院の地域連携室や退院相談窓口にメディカルソーシャルワーカー(MSW)がいれば退院後の生活や介護申請について相談すると良いでしょう。

担当ケアマネジャーを探す

ケアマネジャー(通称ケアマネ)とは正式名称は「介護支援専門員」といい、介護保険法に規定された専門職です。

要介護認定を受けた人が適切な介護サービスを利用するために、ケアマネジャーは「介護サービス計画書(ケアプラン)」を作成し、市区町村や実際に介護サービスを提供する事業者との連絡や調整を日々行い、利用者の介護サービス全体をマネジメントしています。

施設に入所する場合は、施設の中にケアマネがいますが、在宅で介護サービスを利用するには担当してくれるケアマネ探す必要があります。ちなみに介護認定には要支援1から要介護5までの段階があります。要支援1、要支援2の場合は比較的軽度の介護度となり、地域包括支援センターが担当になりますので、本人が住んでいる地域の包括支援センターへ依頼しましょう。

要介護1以上になった場合は、居宅介護支援事業所を探す必要があります。とはいっても、知り合いなどがいなければ、どこに頼んだら良いのかわからないですよね。その場合は病院のMSW地域包括支援センターに相談すると紹介してもらえる場合もあります。

各事業所との契約

担当ケアマネが決まったら、まず事業所との契約が必要になります。契約の目的や個人情報の取り扱いなどの説明を受け、不明点は確認しておきましょう。

ケアマネに日頃の生活状況や家族関係、経済状況、困っていることなど様々な情報を伝え、本人にどんなサービスが必要なのか相談していきます。在宅の場合は、必要なサービスが決まったらケアマネが事業所を探してサービス調整を行います。

ケアマネとの契約以外にもサービスを提供する各事業所とも契約が必要となりますので、可能であれば家族も同席するようにしましょう。

在宅生活で利用できる介護サービス

自宅での生活を続ける上で必要な介護サービスにはどんなものがあるのでしょうか。

ここでは主なサービスを紹介していきます。

訪問介護サービス

日常生活上の買い物や調理、掃除などの家事支援や入浴介助、着替えなどの身体介護をしてくれるサービスです。ヘルパーと呼ばれる訪問介護員が行います。訪問介護員は「介護職員初任者研修」「実務者研修」「介護福祉士」など資格を保有していることが条件になっているので、いわば自宅に来てくれる介護のプロです。

通所介護サービス

「デイサービス」と呼ばれる、機能訓練やレクリエーションなどを提供する事業所です。入浴ができるところもあります。1日型や半日型など目的に応じて選ぶことができます。

訪問看護サービス

その名の通り、看護師が医師の指示を受けて自宅へ訪問し、体調確認から服薬管理、必要な医療処置まで様々なサービスを提供してくれます。主治医と訪問看護師が連携を取っているので、体調に変化があったときなどは安心です。

通所・訪問リハビリテーション

「通い」もしくは「訪問」でリハビリが行えるサービスです。これらを利用するには、主治医の指示が必要になります。通所介護での機能訓練に比べると、より専門的なリハビリが受けられるのが特徴です。

短期入所生活介護

ショートステイと呼ばれる、短期間施設での生活を送って介護を受けるというものです。「自宅で介護をしている家族が疲れて(または入院して)しまった」「親戚の不幸などで数日家を空けなければならなくなった」など自宅での介護が一時的にできなくなった場合に利用することが多いです。

訪問入浴サービス

看護師1名を含めた3名(または2名)のスタッフが自宅に訪問し、専用の浴槽を使って入浴をサポートしてくれる介護サービスです。自宅で入浴ができないけれど、外出も困難といった方が利用されます。看護師も同行しますので、入浴前後の健康チェックも行ってもらえます。

 以上、各サービスについて簡単に説明しました。それぞれ利用条件がありますので、詳細は担当のケアマネに確認しましょう。

まとめ

 今回は親の介護が必要になったら、すべきことについてお伝えしました。

 いつもは元気に過ごしていても、高齢になると転倒や病気などによる入院がきっかけで介護が必要になることも少なくありません。

 日頃から介護保険などの知識を持っていればいいのですが、たいては必要になって初めて調べる方が多いと思います。

 突然親の介護が必要になったら、自分の生活はどうしよう?など不安になりますよね。昔は配偶者や子供たちが親の介護をすることが当たり前でしたが、現在は少子高齢化核家族化によって難しくなってきています。

 少しでも長く自宅での生活が続けられるように、介護サービスをかしこく利用していただきたいと思います。